数々の冤罪を作り出した刑事「紅林麻雄」を知っているか

刑法

 紅林は静岡県に生まれ、そのまま静岡県の刑事となる。 
 紅林麻雄紅林 麻雄(くればやし あさお、1908年 – 1963年9月)は、日本の警察官。静岡県警察部から国家地方警察静岡県本部を経て静岡県警察に所属した。最終階級は警部。担当した事件で数多くの冤罪を作ったことで知られる。
 現在の静岡県藤枝市出身。国家地方警察静岡県本部刑事課員として1941年(昭和16年)8月から翌1942年(昭和17年)8月にかけて起きた浜松連続殺人事件などの数々の事件を解決した名刑事であると言われ、数多くの表彰を受けた。今で言うキャリア組のエリートで刑事課務めだった紅林、

さっそく浜松連続殺人事件を解決に導き、表彰される。 

 浜松連続殺人事件浜松連続殺人事件(はままつれんぞくさつじんじけん)は、日中戦争及び第二次世界大戦下の日本で発生した連続殺人事件。当時の日本は戦時体制下にあり犯罪報道が制限されていたためあまり知られていない。

 静岡県浜松地方において、1941年(昭和16年)8月から翌1942年(昭和17年)8月にかけて、短刀で9名を殺害し、6名に傷害を負わせる事件が発生した。

 この事件を解決した紅林麻雄は名刑事とうたわれたが、戦後は、二俣事件、幸浦事件、小島事件などの冤罪事件を発生させている。

Hamamatsu branch of Shizuoka Prefectural Police 1942
1942年1月の静岡県警察部浜松署。左端が紅林麻雄

フラグとなる書き方になるが、この殺人事件の解決については特に問題点は見つかっていない 

彼を語る上ではいくつかの大きな事件を主軸にしていく 
戦前はコイツみたいのが普通だったという恐怖 

幸浦事件

 最初に犯人として逮捕されたのは二人の男。
 彼らは窃盗により別件で逮捕された。そこに紅林の伝家の宝刀となる拷問取り調べが開幕した。 
 「誰でも良いから犯人を捕まえねばならん」という気の狂った正義感を持っており、紅林は別件逮捕された二人の取り調べを請け負うと、焼いた火箸を耳に突っ込む、殴る、蹴る、髪の毛を掴んで引き回す、
水攻め等を駆使し、「幸浦事件は私がやりました」と自供書を書かせた。 

二俣事件

 この事件は赤ん坊を含む4人が自宅で殺害されるという非常に凶悪なモノだった。一刻も早く犯人が検挙されなくてはならない。

 そこで、当時マスコミにも名刑事と褒め称えられていた紅林の登場である。

 これまた18歳の少年が別件逮捕。そこに紅林の伝家の宝刀が炸裂。水攻めや10時間連続の取り調べなどを駆使して「二俣事件も私がやりました」と自供させる。

 しかし裁判になって死刑が求刑されると少年は一転、無罪を主張。
 事件があった現場には置き時計があり、犯人と被害者が格闘した際に電池が抜けて止まった、つまり「事件時刻ちょうどに停止した時計」という、なんとも好都合な証拠品があった。

 そしてその時計が示した時間に逮捕された少年がなにをしていたかというと、アルバイトをするべく面接を受けており、バッチリ証人だらけのアリバイがあるのである。 

 しかし紅林さん、そんな事ではめげない 

 逮捕された少年の部屋に古本屋で集めた推理小説を持ち込んで、その少年は「推理小説マニア」という既成事実をでっちあげた。

 その中に似たシチュエーションで時計を操作して犯行時刻を撹乱する犯人が登場するパレットナイフ殺人事件なる小説があり、
「その少年を模倣した」という主張を繰り出す。まさに孔明もびっくりの奇手。

しかしここに1つの希望が

 なんと警察内から紅林の自白強要についての密告があった事を弁護側が主張したのである。 

 密告した警察官を速攻で炙り出すと、その警察官を「精神病棟に監禁」。担当医師ももちろんグルであり、その警察官の精神鑑定を「恣意的健忘症、痴呆症、精神薄弱」とデッチ上げ、みごと自白共用の証言も叩き潰したのである。

そもそもこの少年の犯人説には無理が有り過ぎ、

・だいいち決定的なアリバイがある
・犯人が残したとされる指紋にも一致しねぇ
・犯人が残したとされる足跡と少年の足サイズが3センチも違う
・そもそも凶器のナイフを少年が持っていた証拠が何も無い

それに対し紅林は、その都度お得意のアレで自供書を書かせ、のべ3度の自供書を提出。

ええ、本当にそれ以外何も出てこない

流石に世間体的にも無理があったらしく、裁判の結果は死刑求刑を棄却する形で、無罪判決となった。

驚くべきはなんとここまで7年かかったという事実である。

7年も元少年は無実の罪で逮捕され、裁判ごとに拷問されていたのだ… 

アリバイとか証拠を握りつぶして
拷問と家族への嫌がらせ果ては餓死寸前まで追い込んで飯食わせてやるかわりに自白しろやで、悪魔も裸足で逃げ出すド畜生。 

そして紅林の伝家の宝刀は小島事件でも輝いた。

小島事件

深夜に女性が斧で惨殺された事件。

これまた犯人特定になかなか繋がらない

地元の名物刑事紅林がやってのけたこととは…

なんと通りすがりの男性を逮捕した。

この男性はとてもビンボーで、弁護士を雇っても弁護料を払える保証が無かった。

そのため紅林は「自分のツテから被疑者に弁護士をあてがう」というアクロバットを敢行しようとしたのである。

それもそのはず
・そもそも目撃された犯人らしき影と体格も合わない
・目撃された犯人の髪型が短髪なのに、被疑者おもっきりロン毛
・動機もあるわけ無い

そう、マトモな弁護士がついたら有罪になんてならないのである。 

しかし世には凄い人も居るもので、「弁護料いらんから俺がやるわ」というHEROのような弁護士が登場。

紅林さんはあれこれ難癖をつけてその弁護士の弁護資格を剥奪しようとするも、効果無し。

結果的に男性は無罪が言い渡され、ハッピーエンド。

しかし、その裏では… 

なぜか、前述した、「紅林の拷問捜査を密告した刑事」のその息子が逮捕されたのである。
自宅に放火したとされ逮捕された息子クン

「そもそも何で自宅に火をつける必要が?」というもっともらしいツッコミもなんのその
紅林さんは得意の拷問取り調べを敢行。

しかし秘密裏に動いていた別の刑事が、その放火の真犯人を逮捕。

「紅林から現金を受け取った」という証言をしたらしい。

ええ、らしいのです。 

その犯人は逮捕された後に謎の釈放。

しかもその後に「行方不明」になりました、とさ。

かくして「紅林さんが現金でヒットマンを雇い、警察官の自宅を燃やさせた」という凄まじいシナリオが証明される事はなく、闇に葬られた。

楽に出世したかったとかもあるのかも知れんが
なんか快楽殺人的な狂気や悪意も感じる。 

その後、小島事件で逮捕された男性が2度目の無罪判決を受けて大喜び。

はい、もちろん窃盗の件も嘘でした。

「一人で2つの冤罪」というミラクルを達成。

どうせ幸浦事件のときも同じ手だったんだろうけど。

そして伝説は島田事件へ

行方不明の女児が山中で死体となって発見されたこの事件。

一刻も速い犯人逮捕が急がれる…!

大丈夫、ぼくらには紅林さんが居る。

今度はキチンと周到に立ち回ろうと、デッチ上げの犯人は前科者の中からピックアップ。

やがて赤堀という男が逮捕された。 

この赤堀は窃盗で2度の逮捕歴があり、今度はバッチリ、デッチ上げられるぜ!と紅林さんはドヤ顔。

ところが、その大活躍に嫉妬したとある政治家が、その赤堀に自前の弁護士をあてがうという暴挙を敢行。

正に権力の暴力………!

紅林さん、ピンチ………! 

さすが政治家つきの敏腕弁護士、若手の弟子とタッグを組み、鮮やかに静岡県警内部から紅林のヤバイ取り調べについての証言を集めだす。

紅林さんは片っ端から警察官を「精神病棟にぶち込む」という素晴らしい対抗策を弄するも、それでも追いつかない。

まあ、晴れて赤堀さんは無罪になったわけやけど。

島田事件 この事件では、赤堀の犯罪の証拠とされたものは上記の事件の犯行を認めた供述調書であり、事件への関与を証明する物証に乏しかった。

赤堀に供述を強要して虚偽の供述をさせた調書の殺害方法は、鈴木完夫医師が被害者を司法解剖して鑑定した結果と異なっている。複数人の目撃証言が一致する、被害女児を誘拐して犯人と推測される男の人相・体格と、赤堀の人相・体格は著しく異なっているが警察は無視した。

赤堀は結果として再審による無罪判決は得たが、34年8ヶ月間の身柄拘束され29年8ヶ月は死刑囚として暮らす生活を送った。

無実の人を犯人視して以降はそれ以外の捜査を行わなかったので、殺害事件の真犯人を探し出すことはできなかった。 

なお最期は派出所の交通巡査まで降格させられ脳出血でひっそり逝ったもよう


no title

紅林麻雄4事件のうち島田事件を除く3事件が一審・二審の有罪判決の後に無罪となり、島田事件も最高裁での死刑判決確定後の再審で無罪が確定した。幸浦事件・二俣事件の有罪判決破棄差し戻しの時点で御殿場警察署次席警部の地位にあった紅林は、非難を浴びた静岡県警上層部によって吉原警察署駅前派出所へ左遷された。しかも、交通巡視員待遇という実質的な二階級降任だった。

紅林は世間や警察内部から非難され精神的に疲弊しきっていたが、1963年7月に幸浦事件の被告人に対する無罪判決が確定したことにより気力がつきて警察を引退。同年9月に脳出血により急死した。 


ちな警部補から駅前派出所の巡査にまで降格だったもよう

no title

冤罪事件となった袴田事件
これは紅林の部下だった刑事が師の教えを忠実に守った成果だったもよう

タイトルとURLをコピーしました