日本国際社会事業団(ISSJ)の取り組みを簡潔に説明

(1)沿革


1ISSJのあらまし
 社会福祉法人 日本国際社会事業団(International Social Service Japan:ISSJ)
 1952年 日米孤児救済合同委員会
 駐留米軍兵士と日本人女性の間に生まれた子ども
 米軍兵の帰国 養育者を失った子どものための国際的養子縁組の活動
 戦争と戦後処理がもたらした問題 「戦後は終わっていない」

2国際ソーシャルワークの実践
 1970年代後半 インドシナ難民の「ボートピープル」が日本に入国
 難民のための日本語教育、就学、就職、住宅、健康、地域社会への適応
 1979年 国連難民高等弁務官事務所と業務協定 難民申請者への相談事業
 1980年代 興行ビザで来日したフィリピンやタイの女性の国際結婚の増加
 日本人夫とフィリピン人妻の間の子どもは日本国籍を取得可能
 フィリピン人妻の親族の子どもを日本人夫の養子にする希望者への支援
 不法残留のフィリピン人女性(未婚) 大使館に子どもの出生届けせず逃亡 無国籍状態に置かれた子ども(フィリピン国籍でも、日本国籍でもない)
 無国籍の子どもが日本に滞在 その子どもも無国籍 無国籍の世代間連鎖

3ISSのネットワーク
 1924年 国際社会事業団 第1次世界大戦後の欧州で発足
 戦争と社会的混乱、経済不況と労働者・移民・難民の増加、家族の離散
 社会事業の原点 戦争が人間にもたらした不幸、それが女性と子どもに集中
 解決の糸口 考えてから行動するのでは遅い まずは行動、まずは救済

(2)ISSJの支援活動


1養子縁組支援
 国際養子縁組のはじまり
 太平洋戦争後、米軍兵と日本人女性の間に生まれた「混血児」 差別と偏見
 1952年 日米孤児救済合同委員会
 日本駐留の米軍人家族・アメリカ本土のアメリカ人家族に養子にしてもらう
 その活動はISSJへ継承される

 国際養子縁組の変遷
 1954年から1959年まで 552人の養子縁組
 1977年まで 毎年30人前後の養子縁組
 1980年代以降 フィリピンなどの女性の子ども、その親族の子どもの縁組
 1990年代以降はフィリピン・タイの政府機関と協力

 ISSJの養子縁組
 児童の権利条約(日本は批准)と1993年ハーグ国際養子縁組条約(未批准)
 居住国内において子どもの保護が困難な場合、批准した他国で養子縁組
 日本国内に居住する無国籍の子ども→国内委託を優先するが、国外委託へ
 養子縁組を希望する日本人夫婦増加 2015年から「普通養子縁組」を強化
 国外委託 子どもを送り出す国の支援団体と迎え入れる国の支援団体の協力
 子どもが家庭で育つ権利、養育・監護・教育を受ける権利 国内・国外委託

 最近の動向
 2007年から2016年 委託件数17件(国内13、国外4)21人(0~9才)

 ルーツ探し
 養子縁組の当事者 実親・子ども・養親
 子どもと実親の親族関係は終了し、養親との親族関係が始まる。後戻り不可
 しかし、子どもには自己のルーツと実親・兄弟姉妹を知る権利がある

 2016年 養子縁組あっせん法 政府機関の設置には言及なし

2国籍取得支援
 無国籍状態が生じる背景
 世界で1000万人 日本での確認数626人(2016年12月末時点)
 出入国管理及び難民認定法 中長期滞在の外国人 在留カードの発行
 在留外国人が出産→戸籍法により父または母の国籍を記入して役場に提出
 その父・母が外国籍の場合、国籍国にも出生を届け出をしない場合?
 国籍国政府は、国民である父・母の子どもとは認定しないし、またできない
 子どもは無国籍状態に置かれる

 難民と無国籍
 ある国の国籍を持った人が日本に難民申請し、認定された。
 その後、その国が解体・消滅した。その人は元○○国籍の人。では今は?

 無国籍状態におかれた子どもたち
 無国籍の子どもが大人になると、
 日本を出国し、父・母の国に入国し、日本に再入国できるか?
 人を好きになり、婚姻できるか?
 学校・大学への進学、就職、銀行口座の開設、運転免許などの取得は可能か?
 「私は私。でも私が私であることを証明できない。私って誰なの。教えて」

3面会交流支援
 面会交流とは
 2012年民法改正 766条 協議離婚の際に「面会交流」の取り決め
 子どもを養育していない親との交流 子どもの権利でもある

 国際結婚・別居にともなう親子の面会交流
 協議離婚後、養育をしていない親が子どもを奪取、日本国外に連れ出す事件
 2013年 1980年ハーグ条約の批准
 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約
 連れ去れた子どもを日本に返還し、親との面会交流を促進する目的
 外務省ハーグ条約室

 ISSJの面会交流支援
 子どもと同居している親と同居していない親との連絡調整
 面会交流の計画・立案・立会
 別居期間が長くなると、言語・文化・宗教・慣習の違いが顕著・拡大
 面会交流は親の権利。しかし、その行使が子どもに与える影響は?

4難民・難民申請者へのソーシャルスワーク
 ISSJの難民支援
 日本の難民受け入れ開始1978年 2016年までに1万5千人の受け入れ
 難民申請者への支援
 日本の入国管理制度 在留資格のない外国人 日本から出国するまで収容
 本国へ帰国しない、または帰国できない外国人の収容が長期化
 身体・精神の両面での健康状態が悪化
 定住支援・コミュニティ支援
 難民認定・人道的配慮などを理由に在留資格が受けられる
 問題はここから始まる。どこに住むのか。仕事は。言語は。
 難民ソーシャルワークの特徴
 人種・民族・国籍・宗教・言語が異なっても、日本国内においては
 日本人と同様に、ニーズに応じた福祉的支援が必要→法律・福祉の専門家
 心理社会的支援
 難民申請・認定の背景 管理ではなく、複雑な状況を社会・心理的に理解

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