知らないと損!労働法の基礎から働き方改革関連法 高プロ制度まで解説!

学問

日本の長時間労働

そもそも、日本の労働時間法的には1600時間が上限である。長時間労働は、過労死、過労状況、高ストレス、さらには私生活をも蝕んでいく。

「日本人は働き好き」は嘘。日本も江戸時代までは短時間労働であった。しかし、諸外国が産業革命を果たし、長時間労働に移行するにつれて、日本も長時間労働へとシフトしていった。

法的観点からの長時間労働の原因

時間外労働(残業) の主な原因は、別の労働者を採用するより安価で労働量の調整が容易であるという点。
しかし、司法が守ってくれるのかと言えばそうではない。法的規制の欠如、包括合意により労使合意があったと認定する最高裁判決が確定しており、労働者側は不利な立場に置かれている。

年休の未消化

病気休暇は年休利用の最大の理由だが、そもそも病気にかからないという人が多い。仮に病気にかかったとしても、軽度の風邪程度であれば出勤するのが日本人。

年休は、本来であれば全て取得できるよう、年度始めに計画的に決めなければならないが、そのようなことをしている企業は皆無である。

労働運動と労働法制の原点としての労働時間規制

労働運動

1886年全米でのゼネストが現在のメーデーの起源である。そのときの要求として「8時間労働」が含まれている。

日本最初のストライキは時間管理の問題が主な要求であった。

ILO(国際労働機構) 1919 年 第一号条約(8時間労働)

1919年日本では、川崎造船所で最初の8 時間労働制が成立した年である。

国連で日本政府代表は10時間程度が妥当であるとしてILO条約に反対し、結局、現在まで批准できずにいる。

そして今、働き方改革関連法が2018 年 6 月成立し、2019 年 4 月から順次施行されている。

日本の労働時間法制

上限規制

違反に対しては使用者に罰則をもうけている。
原則、最長労働時間は「週40時間」「1日 8時間」である。

弾力化

変形労働時間制というものがあり、「一年単位」「一カ月単位」「週単位」「フレックス 」というように、働き方に合わせて労働時間を調節できる制度がある。

労働時間延長「時間外労働(残業)」

残業時間の上限は原則「月45時間」「年360時間」と定められている。
しかし、別途賃金を支払えば時間外労働も月100時間、複数月平均80時間、年720時間の範囲内で認められる。

割増賃金支払い

時間外労働(残業)が月60時間以下であれば125%以上の、月60時間超であれば150%以上の賃金を支払わなければならない。

現行法、働き方改革関連諸法の課題

労働時間の最長規制

ヨーロッパでは、労働協約で設定しており、フランスなどは、週37時間の労働と決められている。
日本では、労働組合が企業別組合であり、5%の企業にしか存在していないため、法律による規制に依存してしまっている。

残業の労使協定

労使協定で上限時間を設定すると、それの違反は法律違反となり刑罰の対象となる。
しかし、労働者代表選挙の透明性、代表者が真に過半数労働者の代表か、などの課題がある。

残業の割増賃金

算定基礎から、ボーナスや大部分の手当は除外されるため、 現在の割増率では、新規に人を雇用するよりも、現社員に残業させる方が割安となる。

割増賃金を、残業の間接規制とする見解があるが、その立場にたったとしても、規制になっていない。

残業時間の上限

現行の上限時間は、過労死の認定基準と同様であり、言ってみれば過労死ギリギリまでは許されるということになる。これは本当におかしい。働いたことのない人が決めたようにしか思えない。

残業の労使合意

残業には労使合意か必要である。最高裁判決では、就業規則に規定があればそれで包括合意があったと解釈しているので、

  • 就業規則に全部合意したことになるのか?
  • 就業規則の限定的な解釈をするのか?
  • その都度の合意が必要なのか?
  • 就業規則に労働者集団の関与があったのか?

が課題となる。

裁量労働

労働時間管理の放棄が懸念され、長時間・不規則労働に繋がってしまうのではないか?

高度プロフェショナル制度

中間管理職への残業代未払いの合法化へ向けて議論されたのがきっかけで、高プロ制度を作ろうという流れになった。

結果として対象を限定して立法することになり、ホワイトカラー労働者の労働時間管理の方法について課題がある。

労働時間の通算

複数の事業場のみならず、異なった使用者の下で働いていても、労働時間は通算される。現実には、対象者の5%しか残業代が支払われていない、との調査もある。

勤務間インターバル制度

現在は 11時間と設定されている。これでは、22時まで残業が可能となり、残業規制にならない。

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