春闘とは?メリットデメリットは?本来は賃金の引き上げ要求ではない?

学問

春闘とは?

毎年春に一斉に行われる労働条件改善に向けた労働運動。

  • 要求実現運動は通年で行われる
  • 「一斉に」は、産業別組合への脱皮を目的としていた
  • 企業別組合は日本特有の組織形態で、諸外国の産業別組合組織からすると弱点のみ
  • 財政・人の点で少数であるだけでなく、企業帰属意識の点での決定的弱点を有する
  • アメリカなどでは労働委員会によって解散命令がだされるような形態のもの
  • 産別組合に対抗するためにGHQ 主導で結成された総評が1951 年にニワトリからアヒルへ
  • 55 年に産業別統一闘争を主張の太田・岩井ラインが誕生し、55 年から春闘、56 年に官民
  • 同一産業で、同時期に、同一内容の要求を出すことで、組織合同につなげることが目的

どうして「春」?

「春に」は、予算策定時期が 2 月から 3 月であるためであった。

そのため、前年 12 月に組合の連合体から方針が出され、各単組が要求を提出し、2 月に交渉がなされたから。

「春闘」の成果

最大の成果は、インフレ・高度成長期に、かなりの賃上げを獲得したことである。

1961 年から 75 年まで、63 年を除いて二ケタの大幅賃上げを実現できた。

ただし、70 年代以降は、賃上げ要求が物価上昇+アルファに。 しかし、その後の、バブル崩壊・低成長期には賃上げの実現はできず、春闘への懐疑心もうまれる。

近年、マネーサプライの経済政策を実現するために安倍政権が賃上げ要請を行い「官製春闘」 大企業中心に若干の賃上げは実現されることになっている。

春闘は春の時期に賃上げについての議論を行うということが社会に定着してしまった。逆に言うと、これ以外の時期に賃上げ要求を行うには独自の運動盛り上げが必要になってくるということ。

「春闘」のもたらしたマイナス効果

賃上げなどの狭義の労働条件改善が、労働組合運動の「原点」であるとの誤解が広がった。

日本と世界の組合運動の歴史からも、他国の現在の組合運動からもそのようなことはない。

1886 年 メーデーの起源であるアメリカ・シカゴを中心としたゼネストは、上の誤解から、日本では 8 時間労働制を要求した運動のように語られる。

しかし、実際には工場の機械のスローダウンなどの工場運営が主要課題であった。

甲府の雨宮製糸場のストライキは、新聞記事による限り、長時間労働の是正は要求しないと明言しており、要求は時間管理の在り方であった。

日本で初めての8時間労働

日本で最初のサボタージュである川崎造船所争議の結果、大企業で初めての8 時間労働制が導入され、その後の労働争議で 8 時間労働制が拡大する端緒に。これも、組合要求として賃上げやボーナス支給のみ取上げられることが多いが要求は四項目あり、主眼はむしろ、近隣の造船所が有していた病院・食堂・寄宿舎・浴場などの設備が整備されていなかったことへの不満であった 少なくとも、8 時間労働制は要求していなかった。

春闘=賃闘 ではない

組合運動の原点は、会社の運営を民主化することにあり、現在の日本での組合結成の主動因は、会社の横暴への不満である。

「春闘」の成否が賃上げの獲得如何によって判断される 「春闘」=「賃闘」なので、有期雇用の無期化などの要求が後景にひいてしまい 使用者からは、無期化要求が賃上げ要求であると誤解される。

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